クリアは守り、ドロップは前、スマッシュは攻撃。最初はこの覚え方でも役立ちます。ただ、試合では同じショットでも、自分の打点と相手の位置によって価値が変わります。
ショット名を思い出してから選ぶのではなく、自分がどの高さで触れるか、相手がどこにいるか、打った後に戻れるかの順番で考えます。
判断の順番
自分が遅れているとき
打点が低い、身体が後ろに残る、足が止まっている。この状態で強いスマッシュや短いドロップを狙うと、相手に高い位置で返されるリスクが上がります。
まずは高く深いクリアやロブで時間を作る選択を持ちます。これはいつでも守るという意味ではなく、攻撃に移るための一球を作るということです。
自分が高く前で触れるとき
高い打点で身体も安定しているなら、相手の位置に応じて選択肢が増えます。相手が後ろにいるならドロップで前後差を作る、相手が遅れているならスマッシュや速いショットで時間を奪う、といった考え方ができます。
相手が前へ寄っているのに、毎回短いドロップを選ぶ必要はありません。後ろへ返すクリアや、相手の身体へ送る球が有効な場面もあります。
ショットと回復はセット
Badminton Englandの練習例では、クリア・ドロップ・スマッシュを呼び分けた後、それぞれに合う回復の速さを変えています。ショットの種類を変えると、相手の返球だけでなく、自分が次に戻る時間も変わるからです。
高く深い球を打った後は、時間を使って準備し直せます。速い攻撃をした後は、ブロックやカウンターを早く警戒します。短く落とした後は、相手のネット返球へ出る準備を残します。
3択の練習
手投げやノックで、出す人が「自分の打点」と「相手の位置」を設定します。打つ人は、クリア・ドロップ・スマッシュの3択から一つを選び、理由を一言で言います。
次に、返球後の戻りまで続けます。評価は正解のショットだったかだけでなく、
- 自分の打点に合ったリスクだったか
- 相手の位置を見ていたか
- 選んだ後に次の球へ戻れたか
で行います。判断を速くする前に、何を見て選んだかを言葉にできることが大切です。
まとめ
打ち分けでは、
- 自分がどの高さ・体勢で触るか
- 相手が前後左右のどこにいるか
- 打った後に空く場所と戻りを作れるか
を見ます。ショットを増やすことより、状況に合わせてリスクを調整できることが、試合で使える打ち分けにつながります。
参考にした海外資料
- BWF Coach Education Level 1
- BWF Shuttle Time Teachers’ Manual
- Badminton England: Number 3 - Overhead Shapes
- BWF: Time to start training